やさしい孫子の兵法(だれでもわかる古典シリーズ)中巻

やさしい孫子の兵法(だれでもわかる古典シリーズ)中巻

古典デフォルメシリーズ「孫子兵法」の中巻。

やさしい孫子(上巻)やさしい孫子(中巻)やさしい孫子(下巻)

前回「やさしい孫子 上巻」に引き続き、孫子の兵法を、誰でもよめる、わかりやすい言葉にかえて紹介します。

この本の内容は、孫子という人が書いた「成功するためのヒント失敗しないためのヒント」が書かれたノウハウ本です。その考え方は、色々なものごとに当てはめることが出来る便利なヒント集です。むかし書いたことが今でもつかえる古典の名作です。

ガイドの典子
孫子の兵法の本来の意味、または本文と原文に興味が出ましたら、市販の書籍または下のリンクページで確認することができます。

関連:孫子全訳 / 孫子の補足シリーズ

ガイドの典夫
このページでは内容の一部を紹介します。書籍や上のリンクの本文を読めばもっと深いヒントを得ることも出来ますよ!

だれでもわかる やさしい孫子兵法 その5(勢篇)

 孫子のヒント 成功のコツはまず通常の方法であたり、意表をついた方法で勝つ。
ガイドの典子
まず通常の方法、というのは形・態勢をととのえることや、守備的に構えることで、これを孫子は「正」と呼びます。

通常の方法であたる、とは正の方法でまず相手の様子を見ることを言います。

意表をついた方法、というのは変化したやり方や、奇抜なやり方、攻撃的な方法などをさしていて、これを孫子は「奇」と呼びます。

意表をついた方法で勝つ、とは奇の方法で決着をつける、または奇を決め手にすることを言います。

この「正」と「奇」の使い分けは、情況に応じて変化させないとならず、難しいことなのだと孫子は言っています。

 孫子のヒント 奇正の変化は極められない。
ガイドの典子
奇正の変化というのは、「奇」と「正」の使い分け、または概念が変わることを言います。

極められない、というのは研究しつくせない、知るつくす事ができない事を言います。

「正」は受け手の感じ方や、そのときの情況によって「奇」にもなり、

「奇」もまた受け手の感じ方や、そのときの情況によって「正」にもなります。

メビウスの輪
奇正は表裏一体。奇が正にもなり、正が奇にもなり得るのです。
ガイドの典夫
それはまるでメビウスの輪のように奇正は表裏一体であるようだと孫子は言います。

なんだか難しいですよね。

実はこの難しさを吹き飛ばす方法がありまして、孫子は次のようなことを言っています。

 孫子のヒント 充実した力で弱点をつく。力をためて解き放つ。そうすれば誰がやっても当たり前に成功をおさめることが出来る。
ガイドの典子
充実した実力で圧倒すれば小細工なしに成功できる。蓄積した力を解き放った勢いで圧倒すれば小細工なしに勝てる。

このように孫子は言っています。

余裕があれば誰がやっても勝てる。だれがやっても当たり前に成功できる形・態勢をつくることができれば、消費や疲れを抑えることができ、成功につながる。

さらに、充実した力(実)であいての手薄なところ(虚)をつけばますます安全に成功に近づける。

このように「奇正の変化」に悩むことのない圧倒的な実力で安全勝ちできる形・態勢を孫子は良しとしています

いやしい典夫
典夫(のりお)いわく、誰がやっても成功する簡単なお仕事だけして高い給料がもらえる、そんな安全勝ちな会社にのりおは転職したい。

だれでもわかる やさしい孫子兵法 その6(虚実篇)

 孫子のヒント 究極のかたちは無形。無形であいてに判断材料を与えない。
ガイドの典子
無形というのは、相手・他人から見て、まるで味方の姿が無いかのように隠す・またはそのように思わせる事を言います。

これはオカルト話ではなく、実際には味方は存在しているのですが、相手から見て情況をつかむことができなければ、それが無形です。

いいかえると判断材料を与えないこと、情報を見せないこと、偽情報をつかませること等を指しています。

相手の判断が鈍れば、味方は有利に行動でき、うまく動けば相手をほしいままに出来るのだと孫子は言います。

 孫子のヒント 究極のうごきは水を真似る。
ガイドの典子
水の動きというのは、高いところから低いところに流れ、障害物があれば避けて流れます。

この特性は成功するためのヒントになるのだと孫子は言います。

つまり、充実した状態であいての手薄をつく相手が有利であればそれを避ける。このように立ち回るべきだとしています。

なやめる典夫
典夫(のりお)いわく、いやな上司がいるので、できれば避けたい。

だれでもわかる やさしい孫子兵法 その7(軍争篇)

 孫子のヒント なによりも、敵を前に上手く立ち回る事ほど難しいものはない。
ガイドの典子
上手く動く、上手く立ち回るということは、なによりも難しいことだと孫子は言います。

難しい難しいというだけなら、ただの愚痴に終るのですが、もちろんぼやくだけでなく、孫子はしっかり具体的なヒントを与えてくれています。

 孫子のヒント 上手い立ち回りとは、裏をかく事を基本に、有利な部分を維持して、集中したり分散したり相手に機敏に対応して動く。
ガイドの典子
裏をかくヒントは前回登場した「詭道(きどう)」や、今回登場した「奇正(きせい)」の考え方が参考になります。

有利な部分を維持するとは、自分の状態を乱さないこと、相手の情況に対応して動くことです。

上で触れた「無形」のようにしてスキをださなければ乱さずに済み、いろいろな情況をつかむことができれば正しい判断をしやすくなります。

集中と分散は一例で、孫子の本文中にその他の具体例がたくさん載っています。

ガイドの典夫
まめ知識。

このなかの具体例で有名なものが、武田信玄(武田晴信)が孫子を引用してつくらせた「風林火山」という軍旗です。

厳密に言えば「風林火山」の旗を使用したという記録はなく、孫子の原文の一句「故其疾如風其徐如林侵掠如火難知如陰不動如山~」の旗(孫子四如の旗)をつくらせたといわれ、《甲陽軍鑑》によれば1561年から孫子由来の旗を使用していたと考える事ができます。

つまり「風林火山」は原文を4字に短縮した後世の2次創作物です。

わかるひとには原文が浮かぶし、わからない人には長文を見せずに済むという便利な演出です。

だれでもわかる やさしい孫子兵法 その8(九変篇)

 孫子のヒント よく情況を見て最適な行動を取る。
ガイドの典子
よく情況を見て最適な行動を取るためのヒントが書かれた章です。ここでも「情況を見る」という要素が重要になります。

そのヒントを一部抜粋すると、

有利なものに立ち向かわない、不利な情況を避ける、偽情報に乗せられない、罠にはまらない、相手に逃げ道を残す、完全に追い詰めることはしない。

このような考え方にもとづいた具体例が書かれています。

有利なものに立ち向かえば消耗が激しくなり、不利な情況に長くいれば隙がうまれ、偽情報からは正しい判断ができず、罠にはまれば乱れ、相手を追い詰めれば必ず激しい抵抗を受ける。

このような考え方です。これら危険につながるもの避ければ消耗・疲れを抑えることができます

つかれる典夫
典夫(のりお)いわく、いやな上司がいるので、できれば休みたい。

だれでもわかる やさしい孫子兵法 その9(行軍篇)

 孫子のヒント よく情況を見て上手く立ち回る。
ガイドの典子
うまい立ち回り方のヒントが書かれた章です。上手く立ち回るにはよく相手を観察することだと孫子は言います。

そのヒントを一部抜粋すると、

軍の駐屯地には日当たりの良い場所を選べば疫病を抑えられる。

雨の日は川を渡るとあぶない。

不利なところに自分は近づかずに相手を近づけさせる。

入り組んだ場所では待ち伏せに気をつける。

なんでもないときに突如として和睦を願うのは陰謀がある。

利が有るところに進まないのは疲れているから。

などのように具体的な例をあげています。孫子は軍をテーマとした具体例をあげているので、他の分野に直接活用することは難しいのですが「情況を観察してうまく対応する」という考え方はいろんな分野に活用できます。

関連:孫子全訳 / 孫子の補足シリーズ

ガイドの典夫
本文を見ることで、その他の具体的ヒントもすべて確認できますよ!

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