漢和辞典のおすすめ6種の紹介とグレード比較

今回は6つのオススメ漢和辞典の紹介と、それぞれの辞典の魅力についてお伝えします。

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漢和辞典の使い道と魅力

猫の表紙の本の挿絵

漢和辞典は漢字や熟語の意味や使いどころを知りたいときに使う辞典です。読み方から目当てのワードを探したり、漢字の形や字画などから目当てのワードを探し出すこともできます。

使い所としては、簡単な言葉の意味の再確認に使ったり、執筆や翻訳作業に使ったり、読み方から探して知らなかった言葉を掘り出す楽しみ方もできます。

中学や高校で使われるような小型の辞典でも、意外と付録やコラムが面白かったりしますので、雑学としての楽しみもあります。

大修館書店の漢和辞典シリーズ

今回は大修館書店の漢和辞典6種を紹介します。

大漢和辞典

大漢和辞典チャート

総合4.5P

  • 親字:50000字
  • 熟語:500000ワード
  • 巻数:全15巻(修訂第二版)
  • 総頁:18000ページ
  • 定価:240000円+税

プロユース・執筆家・熱心なアマチュア向け

概要
世界最大級の辞典。現代で使われる漢字や熟語はもちろん、古代の言葉もあらゆる文献から裏づけ取材。図版もすべて原典から取材されていて、漢字文化圏に関する地名や用語や年表などの様々な事柄もカバー。辞典だけでなく百科事典としても機能します。

高価な品なので所有するためのハードルは高めですが、このクラスの辞典は図書館などに置かれている場合もありますので、読むこと自体は案外かんたんに出来たりします。

漢字や漢語の使用を生業とするプロでもなければ、必要に応じて図書館で閲覧するのが現実的なつかいかたです。

大漢和辞典記念室 大漢和辞典にまつわる資料・事跡・魅力がわかります。

写真でたどる『大漢和辞典』編纂史 大正に始まり戦後の焦土を乗り越えて完成する、一大編纂事業の大河ドキュメンタリー。

『大漢和辞典』の引き方 引くのに少しコツが必要な大漢和辞典のつかいかたを解説。

広漢和辞典

広漢和辞典チャート

総合4.5P

  • 親字:20000字余
  • 熟語:120000ワード
  • 巻数:全4巻
  • 総頁:5296ページ
  • 定価:67000円+税

執筆家・熱心なアマチュア・古典フリーク向け

概要
大漢和辞典をベースに、一般ユースを意識した使いやすさをプラス。ボリュームを抑えて低価格化。すべての例文に返り点・送りがなが付けられ、難読文字には読み仮名もつけられており、訓読学習に最適。細かな点で大漢和辞典よりも使いやすい形になっています。

大漢和辞典は全巻持ち運びにカートが必要なくらい重いですが、広漢和辞典は全4巻とコンパクトになっていますので、持ち運びしやすくなっています。デスク上に置いておいても邪魔になりにくいので、気軽にサッと使うことが出来ます。

ボリュームとしては、一般的な漢字やメジャーな言葉については充分にフォローされていて頼れます。マイナーな熟語について調べるときには、ちらほらフォローされていない部分が見られ、若干の物足りなさも感じます。そんなときには熟語を分割して、それぞれの親字の方から探ることで大概のことはカバーできます。

縮約版とはいえ豊富な親字数を備えていますから、フォロー外の熟語を力技でカバーすることもでき、スペック以上の力を発揮してくれる辞典です。そういう意味では費用対効果は高いといえます。

大漢語林

大漢語林チャート

総合3.5P

  • 親字:14000字
  • 熟語:100000ワード
  • 巻数:全1巻
  • 総頁:2308ページ
  • 定価:23301円+税

執筆家・書斎・オフィス向け

概要
一冊という限られたスペースに最大限のワードを盛り込んだ漢和辞典。ボリュームを確保しながら、すべてが一冊(+小冊子)で完結するコンパクトさが特徴。ある程度の質は欲しいけど、あんまり置く場所は取りたくないというワガママにも応えてくれるクラスです。

一冊で2300ページというボリュームについて、見た目は六法全書のような分厚い姿をしています。広漢和辞典で例えると、上巻(約1300ページ)と索引(約1000ページ)を組み合わせたくらいの分厚さになります。つまり一冊で二冊分の厚さがあります。大漢語林には語彙総覧という400ページほどの別冊オプションがあって、こちらと連携して使うことで、本書の方の検索のしやすさがUPします。

広漢和辞典の背表紙

広漢和辞典。二冊で鉄アレイくらいの重量があります。勉強しながら筋トレできそうです。

このくらいの分厚いサイズ感になってきますと、ページをめくるのがちょっと大変になってきます。その点を考えると普段使いというより、何かのための備えとしての使い方が適していそうです。このようなことから書斎やオフィスに備え付けておく姿が似合いそうです。

厚みのあるぶん百科事典的なコラムも収録されており、上位モデルと比較してより一般ユースを意識した作りになっています。

新漢和辞典

新漢和辞典チャート

総合3.5P

  • 親字:9000字
  • 熟語:55000ワード
  • 巻数:全1巻
  • 総頁:1218ページ
  • 定価:4600円+税

学習用・一般読書向け

概要
高校・大学生の漢文学習、一般読書向けにカスタムされたモデル。学習分野との親和性が高められていて教材と連携させやすく、他のクラスよりも文字も大きく、親字が下に来る熟語も逆引きできるなど検索のしやすさにも工夫が凝らされています。

B5サイズで大きさとしては大漢和・広漢和の一巻分と同等です。学生向けが意識されていてお値段も安めですが、新漢語林などと比較するとワードあたりの単価は高めになっています。その代わり他よりも文字が大きく検索しやすいという見やすさが強みになっているモデルです。

新漢語林

新漢語林チャート

総合3.5P

  • 親字:14629字
  • 熟語:50000ワード
  • 巻数:全1巻
  • 総頁:1952ページ
  • 定価:2900円+税

高校・学習・日常生活向け

概要
高校の漢文教育との親和性を徹底的に高められたモデル。B6サイズのコンパクトなボディでありながら豊富なワード数を収録。小型ながらコラムも充実。軽い上に内容も充実しているので日常生活での普段使いに適しています。

表紙がやわらかいビニール素材で出来ていますので、ページめくりが格段にしやすいのが小型モデルの強みです。コンパクトさも特徴で、大漢和・広漢和などの大型モデルの一巻分よりもページ数が多いのに薄いです。

具体的に言うと広漢和の下巻(約1400ページ)よりも新漢語林(1952ページ)の方が薄く、それだけギュッと内容が詰め込まれていると言えます。他のモデルと比較するとお買い得感は高いです。

日常で使うような基本的な漢字や熟語の確認には、扱いやすいぶん大型モデルよりも小型モデルの方が重宝します。

関連 新漢語林の使い方

漢語新辞典

漢語新辞典チャート

総合3.5P

  • 親字:12200字余
  • 熟語:45000ワード
  • 巻数:全1巻
  • 総頁:1696ページ
  • 定価:2850円+税

中学・高校・学習・日常生活向け

概要
わかりやすさを重視して幅広い層を対象としたモデル。扱いやすさは漢語林と同等。わかりやすさを意識した構成で、ただ意味を調べるだけでなく、文化への理解を深めるための仕掛けや案内が充実しています。

漢語林と同様に学校以外の日常でも充分につかうことができます。もし学生時代に学校の教材として購入し、いまも家庭にあるのなら幸せなことです。その辞典は一生つかえる優れものです。

オススメのまとめ

  • 特大:大漢和辞典
  • 大型:広漢和辞典
  • 中型:大漢語林、新漢和辞典
  • 小型:新漢語林、漢語新辞典

強いて厳選するなら以下の3つの漢和辞典をおすすめします。

おすすめ

お金持ち・専門家 → 大漢和辞典
小金持ち・マニア → 広漢和辞典
高校生・中学生・普段使い・家庭用 → 新漢語林

※ 新版にこだわらないければ、中古で定価よりお安く入手することも可能です。

(おまけ)各グレードの内容の比較

どのくらいちがうだろう?

小型の辞典と大型の辞典はどのくらい違うのか気になったことはありませんか? ちょっとチラ見しちゃいましょう。

広漢和辞典と新漢語林の比較

サンプルとして「」という親字で比較してみます。

梅:新漢語林(第二版)より

新漢語林(第二版)より

こちらは新漢語林。梅という字に関する基本的な情報といくつかの熟語が収録されています。 一般的な梅のつく熟語として「梅雨」と「梅信」、日本史から「梅里先生」(水戸黄門のこと)、漢文がらみで「梅堯臣」が載っています。

梅堯臣というのは人名で、ちょっとマニアックな分野のワードですが、ほかは割かし一般的なワードがチョイスされていることが分かります。

梅:広漢和辞典の中巻(初版)より

広漢和辞典の中巻(初版)より

こちらは広漢和辞典。詳細な基本情報とたくさんの熟語が収録されています。このように広い分野の熟語を収録しているのが大型の漢和辞典の特徴です。

もうひとつの特徴紹介として梅雨の部分を拡大してみましょう。

梅雨:広漢和辞典の中巻(初版)より

広漢和辞典の中巻(初版)より

熟語自体の情報も詳細になっています。意味だけでなく使用例や出典となる文献名も明記されているのが特徴です。

梅雨という熟語は《歳華紀麗》という書物の四月の項で使用例があり、その注釈として「梅熟時雨」→「梅熟する時の雨なり」という解説がされていたことが分かります。このように言葉の由来を探ることが出来るのが大型漢和辞典の大きな魅力です。

出典が明記されていれば、その書物へのガイドとしても機能しますし、熟語の意味づけの論拠ともなります。このような情報は古典の意味を理解するのを助けてくれますし、翻訳作業の短縮にもつながるのです。

新漢語林と漢語林の比較

つぎは版による違いについて見てみましょう。テキトーに表紙を変えて売りつけてるんじゃないの? とか思ったことはありませんか? 決してそんなことはありません。

梅:新漢語林(第二版)より

新漢語林(第二版)より

こちらは先ほどの新漢語林の「梅」

梅:漢語林(旧版)より

漢語林(旧版)より

こちらは平成4年に発行された旧版の漢語林です。(漢語林 改訂版 第二刷)

よくみると書き順が新漢語林になったことで詳細になっていることが分かります。そのほかの情報も詳細になったり、一部では削られている部分も見られます。

このように版によって進化したり変化したり、しっかりと細かい調整がされているのです。

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