Sailaway世界周航・地中海の逆風~カナリア諸島(AAR03)

くま
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こんにちは、梅永とうふ店です。

今回はリスボンを発ち、地中海のセウタを経て、カナリア諸島へ渡っています。

今回も「Sailaway – The Sailing Simulator」の魅力を紹介しながら、世界周航七大洋制覇を目指していきます。

AAR03 地中海の逆風~カナリア諸島

前回までのあらすじ

■2018/01/31:米国ナンタケット出発(AAR1

■2018/02/15:アゾレス諸島オルタに到着(AAR2

■2018/02/23:ポルトガル首都リスボンに到着

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Sailawayの天候は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)に基づいてリアルタイムで同期され、マップも地球規模でモデリングされているシミュレーターです。

【北大西洋】リスボンを出発

サンビセンテ岬を越えた途端に逆風になった

画像のマップは、リスボンを出発して三日後の2018/02/23の様子です。リスボンを出発したときには順風だったのが、サンビセンテ岬を越えてカクっと東に針路をとった途端にお天気が変わって逆風となりました。

風はポルトガル沖に反時計回りで吸い込まれています。どうやらポルトガル沖に低気圧が発生したようです。

画像の赤い線(TWD)は船が受けている風の向きを示しています。ご覧の通りこの風はジブラルタル海峡から、まるでボートの進入を拒むような角度で吹いています。

船や帆などパーツの色は細かくカスタマイズできます

三角帆を備えた帆船は、向かい風でもグイグイ進むことのできる船ではありますが、もちろん限界もあります。できれば30°くらい以上は角度がついていないとスピードが出ません。

帆船のセオリーとしては、今回のような逆風の場合はジグザグに針路をとって進むわけでありますけども、そのあたりの事柄をすこし整理しておきましょう。

《検証》もろ逆風のときのジグザグ航行のとり方&具体的角度

レース、クルージング、その種類は問わず、帆船がとるべき逆風対処のセオリーはジグザグ航行です。Sailawayのシミュレーター上でも、もちろんその技術は通用します。

ジグザグ航法のイメージ。風上に向かってジグザグにのぼる

イメージとしては斜め45°くらいの角度を維持して、右に左に船がのぼる角度を切り替えながら進んでいきます。(Sailawayのオフライン自動航行モードでは、設定次第でこれをオートでやってくれます。)

具体的にどのくらいの角度で逆風をのぼれば良いのか?どのくらいの角度まで効率よく進めるか? と言う疑問を解消すべく、今回もいくつかのデータをとって表にまとめてみました。結果が似た重複データは省き、代表的なデータを抜粋しています。(※ 波の条件も省いています。感覚としては波を後ろから受け続けていた記憶があります。)

凡例を表示する
風向(°) 風速(kn) 船速(kn) 帆種
右舷19° 10.8(5.6m/s) 3.6(1.9m/s) Nr.4
右舷23° 10.2(5.2m/s) 4.6(2.4m/s) Nr.4
右舷28° 13.9(7.2m/s) 6.1(3.1m/s) Nr.4
左舷30° 9.8(5.0m/s) 6.3(3.2m/s) Nr.4
右舷34° 12.5(6.4m/s) 6.8(3.5m/s) ジブ
右舷37° 11.4(5.9m/s) 7.8(4.0m/s) ジブ
左舷45° 13.1(6.7m/s) 8.5(4.4m/s) ジブ
右舷52° 12.2(6.3m/s) 9.2(4.7m/s) ジブ
左舷61° 13.0(6.9m/s) 9.5(4.9m/s) ジブ
右舷70° 9.4(4.8m/s) 9.6(4.9m/s) ジブ
左舷87° 4.7(2.4m/s) 3.8(2.0m/s) ジェネカー
左舷99° 4.1(2.1m/s) 4.9(2.5m/s) ジェネカー

今回の場合は、このような傾向があらわれました。これを噛み砕いてまとめると次のようになります。

まとめ
  • 真正面は効率が悪い
  • 30°以上になると効率が良くなる
  • 真横に進むと目的地から離れるので、35°~55°くらいの角度がバランスが良い

真横に風を受けて進んでもスピードが出ますが、それでは目的地につく時間が遅くなってしまいます。船のスピードと目的地への時間の兼ね合いから言って、バランスが良いのは35°~55°くらいの角度でジグザグ航法を行うのが、Sailawayシミュレーター上の条件では良さそうです。

【地中海】セウタに到着

リスボンからセウタまでの航路の道程は約555kmの距離があります。その半分を向かい風と戦いながら2018/02/27にセウタに到着しました。

4日ほどで着いたので、一日平均139kmほどのペースで進んだことになります。オルタとリスボンのときは210kmでしたので、やはりジグザグ航法はストレートより時間をとってしまうもののようですね。

セウタの歴史は深く、カルタゴ、東ローマ帝国、ウマイヤ朝、イドリース朝、ポルトガル王国領などの時代を経て、現在はスペインに属している土地です。その複雑な文化背景が反映されて、スペイン調とモロッコ調のカラフルな建物が混在するような、多様な町並みを形成しています。

【北大西洋】モロッコ沖を航行中、いやらしい逆風

地中海の風を感じたあとは、希望峰をめざして南に向かいます。すると今度は風向きが逆転して、またもや逆風を進むことになりました。

ジブラルタル海峡の波の傾向として、表層海流は通年、地中海に流れこむようなフローになっています。海水で塩分が強くなった水は重くなって沈み、重くなった深層の塩水はあふれるようにして大西洋に出ていきます。

ボートにとっては深層水流の影響は少なく、あくまで表層の海流の影響を強く受けます。つまり風も波も逆向きの状態で進まなくてはならないのです。

狭い水域であるため、ダイナミックな機動を取る空間もあまりないので、しばらくは不利な条件を我慢しながらの航行です。

《ヒント》ジグザグ航行でなくても逆風は進める

ジブラルタル海峡を越えて、地中海を抜けても微妙な角度の逆風傾向はかわらず、実にいやらしい角度で船をせめ続けました。

角度をつけたくてもつけられない。風と陸に圧迫された形

その傾向が顕著に現れたのが、カナリア諸島です。画像の赤線は風の方角を示して、前方の風と陸に挟まれて南に針路が取れない様子を切り取ったものです。

北に都合の良い角度をつければ、とりあえずは進むことができますけども、これまでずーっと不利な角度で風が吹きつけておりまして、それに対抗する形でこちらも意地でも主張を通してやろうとまっすぐ進んでやりました。

この角度でも一応進める

さすがに真正面からの風は避けなくてはいけませんが、この意固地大作戦の結果、上記の検証データを収集できたというメリットも生まれました。

画像は上記データの一番上、角度19°(体感角14°)で3.6ノットのスピードで進めたときの計器の様子です。

とりあえず風さえあれば、風との帆の角度が小さくても進めます。

【北大西洋】カナリア諸島ラス・パルマスに到着

2018/03/09にカナリア諸島のグランカナリア島ラス・パルマスに到着。セウタからの航路の道程は、およそ1290kmです。10日かけて渡ったので一日平均129kmペースで進んだことになります。意固地大作戦の結果、セウタのときより遅いペースとなりました。

カナリア諸島は観光地としても有名で、海洋史としてはフランシス・ドレークとジョン・ホーキンスがこの地を襲撃しています。ラ・パルマス港の直ぐ側にあるラ・ルス城(Castillo de la Luz)は、そんな海賊や私掠船から街を守るための砦として建てられたものです。

ラス・パルマスの緯度は北緯28度で、さらに南に進めば赤道も間近となりました。このまま南進して希望峰を目指します。

つづき Sailaway世界周航・赤道を越えて~セントヘレナ(AAR04)